婦人科は、思春期から老年期まですべての年代の女性が対象です。
女性ならではの体のお悩みを、患者様の気持ちに寄り添い診療いたします。
女性の健康の問題には、それぞれのライフステージに応じた特徴があります。
気になる症状がある場合は、お早めにご相談ください。

がん検診

Cancer screening

大平病院では、子宮頸がん検診、子宮体がん・子宮内膜がん検診、卵巣がん検診を行っています。
子宮頸部細胞診、子宮内膜細胞診、超音波、腫瘍マーカー採血などで診断をします。症状や今までの経過、既往歴、手術歴などを詳しく問診したうえで判断し、適切な検査を行います。
早期発見が非常に重要となりますので、年に1回の定期検診をお勧めします。

また、名古屋市に在住の方は2年度に1度、ワンコイン(各500円)の検診を受診することができますのでご活用ください。

子宮のお悩み

Uterine problems

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮壁にできる良性の腫瘍で、月経のある女性の約4人に1人にできると言われています。
悪性腫瘍に変化することはほとんどありませんが、子宮筋腫が不妊の原因になることもあります。

【症状・兆候】
貧血、頻尿、便秘、強い月経痛など
子宮腺筋症

子宮内膜に似た組織が何らかの原因で子宮筋層内にでき、増殖する病気です。
子宮の筋肉の中にできる「こぶ」のようなもので、ほとんどが他の臓器に転移することのない良性腫瘍です。

【症状・兆候】
月経痛、過多月経や過多月経による貧血、骨盤痛など
卵巣腫瘍

卵巣腫瘍とは卵巣にこぶができた状態です。良性、境界悪性(中間型)、悪性腫瘍に分類され、その種類は多彩です。
小さいうちは無症状で経過することが多く、妊娠をきっかけに見つかることも少なくありません。

【症状・兆候】
腹部膨満感(お腹が張って苦しい)、下腹部痛、頻尿など
卵巣嚢(のう)腫

卵巣に発生した腫瘍を卵巣腫瘍といいます。卵巣腫瘍は良性卵巣腫瘍と悪性卵巣腫瘍に分けられます。
卵巣腫瘍の80%以上は良性だといわれています。

【症状・兆候】
下腹部膨満感、腰痛、他臓器への圧迫症状(トイレが近くなったり便秘がちになったり)など
子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢胞)

本来は子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜が、腹膜や子宮筋層内、卵巣などの主に骨盤内の子宮内腔以外の場所にできる病気です。
月経ごとにその場所で出血をし、内部に溜まって粘性のあるチョコレート状に変化して嚢胞となります。

【症状・兆候】
月経痛、不妊の原因、性交痛、排便時痛、腰痛など
卵巣出血

卵巣出血とは排卵や外的な刺激等により生じた卵巣の傷から出血する状態です。
20~30歳代の女性に多くみられますが、年齢に関わらず排卵がある女性には誰にでも起きる可能性があります。

【症状・兆候】
下腹部痛 血圧低下 顔面蒼白など

ピル

Pharmaceuticals

ピルは女性ホルモンを主成分とした錠剤のことで、OC(経口避妊薬)、避妊薬など様々な言い方があります。
日本では「ピル=避妊薬」というイメージを持つ方が多いようですが、大多数の方が避妊目的以外で服用されています。
ピルを飲むとピルに含まれる卵巣ホルモンが血液中を循環し、卵巣からの排卵が抑制されます。
子宮内膜症などの子宮の病気は、この排卵をストップさせることで軽減できるため、治療の方法の一つとしてピルが選択されることもあります。
また、ピルは体のホルモンバランスを一定に保つため、重い生理痛の症状PMS(月経前症候群)の緩和にもつながります。

ピルのメリット

・生理周期が安定するため、月経が決まった日にきやすくなる。
・月経量が減り、月経痛の緩和につながる。
・ホルモン変化のコントロールによりPMS(月経前症候群)の症状が緩和される。
・月経前ニキビができにくくなる。
・卵巣がん、子宮体部がん、直腸がん、リウマチなどの発症予防につながる。

ピルの一般的な副作用

・吐き気、頭痛、むくみなど
・血栓症
・乳がん発生率

大平病院では患者さん一人ひとりの症状や、今までの経過などを詳しく問診したうえで副作用の説明を行い、処方しています。

ピルの種類

経口避妊薬OC

エストロゲンとプロゲステロンという二つのホルモンが含まれた錠剤です。
避妊薬としての効果のほか、月経不順の改善や月経血量の減少など、様々な効果があります。

LEP製剤(保険適用のピル)

OCが主に避妊を目的としているのに対し、LEPは月経困難症の治療や子宮内膜症の予防などを目的に用いられています。
保険が適用され、OCよりもエストロゲンが少なく低用量化されています。

緊急避妊

避妊の失敗があった時や性被害に遭ってしまった時、72時間以内にアフターピルを服用することで緊急避妊をすることができます。
あくまで緊急的に用いるものであり、普段の避妊法には向きません。

月経移動(月経の調節)

旅行、受験、結婚式などの大きなイベントと月経時期が重なって困るような場合、ホルモン剤を服用することで月経時期をずらし、イベントと月経時期が重ならないようにすることができます。

IUD(子宮内避妊器具)

IUD(子宮内避妊器具)とは、避妊を目的に子宮内に装着する小さな器具です。
一度装着すれば数年にわたり避妊が可能となるため、長期の避妊を望む女性に適しています。

レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)

合成黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを子宮内に直接放出する子宮内避妊システムで、長期避妊目的で用いられてきましたが、近年、過多月経や生理痛などに対しても非常に有効な治療法であるとして注目されています。
同じ目的で低用量ピルやその他ホルモン製剤を長期間服用した場合よりもコストパフォーマンスが非常に高いとされています。

ピルの処方

問診・血圧測定

問診や血圧測定などを適宜行います。一人ひとりの症状やこれまでの経過・既往歴などに合わせ、一番合うピルを選択します。

ピルの処方

ピルの使用目的(避妊、生理のコントロール、子宮に関する病気の治療など)により、適切な種類を決定し、保険適用が可能な場合は保険を使って処方いたします。

定期健診

定期健診では子宮がん検診と同様に、超音波での診断や、子宮筋腫の有無、子宮内膜症になっていないかなどをチェックします。ピルの服用中は、半年に1度程度の
定期健診をお勧めします。

更年期障害

Menopausal disorder

性器脱

膀胱・子宮・直腸のような骨盤臓器が膣の入口から飛び出てきてしまう症状のことをいいます。
骨盤では筋肉(肛門挙筋)や筋膜などで膀胱・子宮・直腸を支えています。
妊娠・出産などで肛門挙筋・筋膜・神経などが損傷を受けると、骨盤臓器の支える機能が破綻し、膣の入口から骨盤臓器が落ちやすくなってしまいます。
妊娠・出産の他に、肥満や慢性的な便秘なども性器脱を引き落とす原因となると言われています。
脱出の程度に応じて膣に何かがはさまった違和感や圧迫感が生じ、出てくる臓器によって、子宮脱・膀胱瘤・尿道瘤・小腸瘤・直腸瘤と呼ばれています。

子宮脱

子宮が膣管を通ってそのまま落ちてくる状態です。
症状が進むと、子宮の入口周辺がこすれ、出血や炎症を起こす場合があります。子宮が単独で脱出することはまれで、通常は同時に膀胱もある程度下垂してきます。

膀胱瘤/直腸瘤

膀胱や直腸が膣入口から脱出した状態のことです。
膀胱瘤は咳やくしゃみで尿漏れする腹圧性尿失禁症状を、直腸瘤は排便時にいきみをかけても直腸瘤によりふくらんだ直腸の壁に便がたまり、うまく排便ができなくなるという症状が出ることがあります。

過活動膀胱

過活動膀胱は「トイレが近い」「急に我慢できないくらいの尿意が起こる」「トイレが我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状がみられます。
多くの方がこの病気の症状に悩んでおり、ご相談も多くいただいています。
妊娠や出産、加齢、肥満、閉経による女性ホルモンの低下などが主な原因と言われています。

切迫性・腹圧性尿失禁

切迫性・腹圧性尿失禁は、おなかに力を入れた時に尿漏れしてしまう症状です。
席やくしゃみをする、笑う、走る、スポーツをする、重いものを持ち上げるなど、強い腹圧のかかる動作をした時に尿漏れを起こしてしまいます。
過活動膀胱による切迫性尿失禁と骨盤底筋の衰えによる腹圧性尿失禁の両方の症状がみられる方もいます。
出産が大きな原因の一つといわれていますが、加齢や血液中の女性ホルモン濃度の低下、肥満なども骨盤底筋の傷みの原因となり、症状を引き起こしてしまうこともあります。

急性膀胱炎~尿路感染症

尿が作られて排出されるまでにたどる、腎臓、尿管、膀胱、尿道のような尿の通り道(尿路)に細菌が感染し、炎症が起こるものを尿路感染症といいます。
主な尿路感染症には膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎があり、その中でも急性膀胱炎は尿道の短い女性に多く見られます。
直腸や会陰部に常在する菌が起因菌になり性交、月経、便秘や排尿を我慢することが原因になります。自覚症状として、排尿時の痛み、頻尿、残尿感、血尿などがあります。

痔核

痔核とはいわゆるいぼ痔のことです。
その名のとおり、肛門にいぼ状のはれができる状態で、肛門の内側にできるものを内痔核、外側にできるものを外痔核と呼びます。
痔核は主に排便時のいきみや便秘などによって、肛門部に負荷がかかることで静脈叢がうっ血して、はれ上がることで起こります。
男性に多い病気と思われがちの病気ですが、便秘になりがちな女性も多くの方が悩まれています。

これらの症状にお悩みの方、その他の更年期障害の症状でお悩みの方はまずはお気軽にご相談ください。
更年期障害は誰にでも起こることです。一緒に治療していきましょう。

不妊症

Equipment outline

タイミング法、排卵誘発、ホルモン療法を行っています。
不妊症の治療は心にも大きな負担をかけます。
単に妊娠のための治療を行うだけでなく、時間をかけ、メンタルケアも含めた診療を行います。
人工授精や体外受精は当院では行っておりませんが、希望される場合は適切な医療機関をご紹介いたします。

膣炎・外陰炎(~子宮頚管炎)/
性行為感染症(STD Sexually Transmitted Disease)

Vaginitis / Vulvodynia / Sexual Behavioral Infections

性行為感染症とは、セックスによって感染する病気の総称です。
多くの場合外陰部の痛み、かゆみ、おりものの量の変化といった不快感をともなう症状が現れます。
放っておくと気づかないまま症状が進行し、不妊症の原因となったり、妊娠中の場合は赤ちゃんに危険が及ぶことがあります。
性交経験のある女性で心当たりがある場合、外陰部に不快感や違和感を感じたら早めに検査・治療を受けることが大切です。

クラミジア頸管炎 /
性器クラミジア感染症

クラミジア・トラコマティスという微生物が原因の病気で、10代の若い方にも流行しています。
オーラルセックスにより喉の粘膜にも感染するという報告もあります。
症状が進行すると卵管の癒着による不妊症の原因となり、妊婦の場合は、流産・早産の危険性もあります。
また、健康な人に比べ、HIVへの感染率が上昇します。

【症状・兆候】
おりものの量が増える、下腹部痛、不正性器出血など
淋菌感染症(淋病)

淋菌が原因の性感染症で、感染力が強く、1回のセックスで30%程度の確率で移ると言われています。
感染が進むと不妊などの原因になる場合もあります。

【症状・兆候】
おりものの増加、外陰部のかゆみ、腹痛、膿のようなおりものなど
カンジダ外陰膣炎

体内に常在する真菌(カビ)の一種であるカンジダ菌が増殖することで起こる感染症で陰部に強いかゆみが生じ、がんこなかゆみが続きます。
風邪や睡眠不足のような体調不良などで免疫力が低下しているときや、ホルモンバランスが崩れる妊娠中・生理前後などにに発症しやすいと言われています。

【症状・兆候】
外陰部の強いかゆみ、酒粕状またはヨーグルト状の白いおりもの、排尿障害、性交痛など
細菌性膣症

カンジダと同様に、膣内に存在する細菌同士のバランスの崩れや膣内環境の乱れが原因で発症します。特定の原因細菌はなく、複数細菌の異常繁殖が原因で引き起こされます。 繁殖した雑菌が移動すると、卵管炎や骨盤腹膜炎などを引き起こす場合もあります。

【症状・兆候】
悪臭のあるおりもの、灰色のおりもの、さらさらしたおりもの、外陰部の軽いかゆみや腫れなど
梅毒

梅毒トレポネーマによる感染症で性交渉をきっかけに移ることが多く、感染すると数週間の潜伏期間を経てから全身症状を引き起こします。
早期治療により治すことができますが、早期に治療を行わないと症状が悪化し、命にかかわる重篤な状態になる場合もあります。また、母体が感染した場合胎児にも感染し、先天梅毒と呼ばれる症状が出現することもあります。

【症状・兆候】
陰部や肛門、口などのしこりや潰瘍、リンパ節の腫れ、発疹など

当院の場合、【クラミジアPCR + 淋菌PCR + 梅毒(STS-RPR法 + TPHA法) + HIV抗原・抗体検査】をセットで検査いたします。
クラミジアPCR ・淋菌PCRは内診台で採血、梅毒・HIV抗原・抗体検査は採血室で採血を行い、完了です。
また、ご希望によりB型肝炎(HBs抗原検査)、C型肝炎(HCV抗体検査)の検査を追加することが可能です。
余分な採血をする必要がないため、患者さんの負担を軽減します。

外陰ヘルペス

外陰ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)によるウイルス感染症です。当院ではガイドラインに準拠して、抗ウイルス薬の内服・外用を処方します。
頻回に再発を繰り返す(年間6回以上) 場合、「再発抑制療法」という投与方法も存在し、当院でも現在も今までも多くの患者さんへ治療を実施しています。

尖圭(せんけい)コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPVの主に6型 / 11型)によるウイルス感染症で、外陰部を中心に良性の疣贅(ゆうぜい)=イボができます。
治療後3ヶ月以内に約25%が再発するといわれており、根気よく治療を続けることが大切です。

その他の症状

その他に外陰部の皮疹・外陰潰瘍・外陰膿瘍など、気になる症状がございましたらお気軽にご相談ください。
当院で可能な範囲で診断・治療を行います。症状が重い場合も、信頼できる大きな病院をご紹介いたします。
少しでも気になる症状がある場合は、迷わず受診していただくことをおすすめします。

婦人科手術

Gynecological Surgery

当院では患者さんの症状やご要望に合わせ、できるだけ体に負担のないように手術を行います。
患者さんの気持ちに寄り添い、安心して任せていただける施術を行っています。

子宮頸部ポリープ摘出(切除)術

子宮にできる主なポリープには、子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープがあります。 良性の場合がほとんどで、悪性腫瘍となることはまれなので自覚症状がなければ放置していても問題はありませんが、妊娠中でなければ一般的に切除術を行います。
ポリープの根元が細ければ外来で痛みもなく簡単に切除することが可能です。

バルトリン腺膿瘍造袋(ぞうたい)術

バルトリン腺膿瘍は外陰部にできる炎症性腫瘤です。
バルトリン腺は膣の入口に粘液をだす部分があり、この部分が炎症をおこした結果閉鎖され、バルトリン腺腔が粘液や膿で膨らんだ状態となります。
このような場合、膿を排出するための手術を行い、痛みを軽減させます。
一般的に日帰りで短時間の手術となります。

大人の感染症検査

Adult Infectious Disease Testing

風疹HI抗体、麻疹抗体検査を含めた感染症検査を実施しております。
風疹は一部公費が適用されます。
まずはお気軽にご相談ください。

産科・婦人科・小児科

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愛知県名古屋市中川区昭和橋通9丁目78番地 

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